METHOD
距離間タイム換算の計算方法
Riegel式による相当タイムの計算、適用範囲、結果を見る際の注意点を示します。
Riegel式
距離 D1 のタイム T1 から、距離 D2 の相当タイム T2 を次の式で求めます。
T2 = T1 × (D2 / D1)1.06
指数1.06は、距離が延びると一定ペースを維持できず、所要時間が距離の増加率より少し大きく増えることを表します。計算中は秒を丸めません。
出典と有効範囲
出典は Peter S. Riegel, “Athletic Records and Human Endurance,” American Scientist, 69(3), 285–290, 1981 です。一次資料では、時間と距離の関係を t = a × distanceb のべき乗式で表し、約3.5分から230分までを endurance range(持久領域)としています。
rikuDATAでは計画・ADRに基づき、距離間換算の指数を1.06に固定します。相当タイムが3分30秒未満または3時間50分超の行は削除せず、「参考値」と表示します。換算元タイム自体が範囲外の場合も計算は続け、全体警告を表示します。
表示は1秒単位
相当タイムと1kmペースは、表示時のみ整数秒へ四捨五入します。個人差を含む推定モデルであり、0.1秒単位の差を論じる精度はないためです。
限界
- スピード型・持久型など、選手ごとの特性は反映しません。
- 換算先の距離に対する練習量、補給、レース経験は反映しません。
- 気温、風、標高、起伏、路面などの条件は反映しません。
- 短い距離からフルマラソンへの換算は、十分な走り込みがない場合に楽観的になりやすい推定です。
結果は目安となる推定値であり、公式記録や達成を保証するタイムではありません。
100m〜400mを扱わない理由
Riegelの一次資料では、3〜4分より短い領域で時間と距離の対数関係が直線から外れ、短時間の身体過程が影響すると説明されています。100m〜400mはこの持久領域に入らないため、距離間タイム換算の対象外です。